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I'm in love with Jacques Derrida

『spica』 / 泉和良
spica (講談社BOX)spica (講談社BOX)
(2008/11/05)
泉 和良

また普通なのですね……。

前半は厳しかったけれども、終盤の感じにはすごく引き込まれた……いや、恋の幻想が、ふと醒めるように、この終盤のテクストも、主人公と同じに、視野狭窄的な、やるせない気持ちの内、一気呵成に飲み下さなければ、醒めます。
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『バイバイ、エンジェル』 / 笠井潔
バイバイ、エンジェル (創元推理文庫)バイバイ、エンジェル (創元推理文庫)
(1995/05)
笠井 潔

観念の殺人、悪魔の在処。それを解きほぐしていく可能性の現象学。唸ったなあ。竹田青嗣さんの、“事実学をやめよ。本質学を開始せよ”、という言葉が思い出されました。
……しかしそれとは別に印象深いのがですね、あなたは何か、この手のタイプの女に恨みでもあるのかしらん、と疑ってしまいたくなるくらいの、ナディアさんのピエロっぷりで、本当もう、胃が痛くなる思いでした。しかしナディアさんもナディアさんで、「絞め殺してやりたい」とか言い過ぎだと思います。ナディアさん……。
あとは、秘密結社とか核戦争とかの辺りは唐突に思えて、あんまし頭に入ってこなかった。というかですね、ここだけの話でなく、ところどころ滑稽な感じに思えてしまうところがあったのですけれど、それは例えば、矢吹駆登場シーンでの「サンスクリット語……」とか、彼が妙に吹きまくる口笛とか……。こういうのはちょっと、場の空気をキチッと想像、没入していないと厳しいですね。
『キャラクターズ』 / 東浩紀
キャラクターズキャラクターズ
(2008/05)
東 浩紀+桜坂 洋

あんたにだけは、その物語が確定したあとも、ぼくたちがキャラクターであったことを忘れて欲しくないのだ。

『新潮』掲載時に読んだので、再読。いや、発売日には購入しておったのですけれど。そう言えば書店へ買いに行った時、平積みされてない上に、棚に一冊だけしかなかったのが悲しかった。面白いってのに。
そう、やっぱり抜群面白かった。小説、あるいは小説を偽装した評論、どちらであるにせよ、これは傑作だと思います。
『天国にそっくりな星』 / 神林長平
天国にそっくりな星 (ハヤカワ文庫)天国にそっくりな星 (ハヤカワ文庫)
(2004/02/10)
神林 長平

玲美さんに、「テンテン!」と呼ばれたいなあ。
まあそれは置いておくとして、面白かった。軽妙な文体でですね、すらすらと読めました。会話もいちいち味があってよかった。ちなみに、セカイ系なのかどうかは分からなかったと言うかそんなもんどうでもよいね。
あとは、解説でも触れられていることだけど、「実は……」みたいな真相が提示されつつも、それが本当かどうかは今いち怪しいまま、不確定なままに終わるのがよかったですね。ちゅーかもしそうしなんだら、しょーもなー、と思って本を閉じてから漏れなく不貞寝したとこですけども。
『くるぐる使い』 / 大槻ケンヂ
くるぐる使い (角川文庫)くるぐる使い (角川文庫)
(1998/01)
大槻 ケンヂ

どれも素晴らしいのだけど、特に気に入ったのは「キラキラと輝くもの」「くるぐる使い」「憑かれたな」「春陽綺談」「のの子の復讐ジグジグ」です。全部でした。
ただ惜しむらくは、「キラキラと輝くもの」の終盤に図式的な説明を提示してしまったことで、あれはなくてもよかったような気がします。
巻末の糸井重里さんとの対談も、面白いけれど、ない方がよかったな。
高橋葉介さんの表紙絵は、この上なきものです。たまりません。
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